コレクチム
コレクチム軟膏は、世界で初めて登場した「外用JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害剤」と呼ばれる新しいタイプのアトピー性皮膚炎治療薬(塗り薬)です。
アトピー性皮膚炎の皮膚の内部では、免疫細胞が暴走して炎症のスイッチ(JAK経路)が入り続けています。コレクチムはこのスイッチを直接ブロックすることで、皮膚の赤み、腫れ、強いかゆみを元から鎮めます。
最大の特徴は、ステロイド特有の副作用(皮膚が薄くなる、赤くなる、血管が浮き出るなど)がない点にあります。そのため、これまでステロイドを長期間使うのがためらわれていた顔や首、デリケートな部位にも安心して使用できます。また、生後6ヶ月以上の赤ちゃんから大人まで、幅広い年齢層の患者様に使用可能です。
コレクチムの主な効果は、「ステロイドに劣らない優れた抗炎症効果」と「高い安全性」です。
・優れたかゆみ・炎症の抑制
臨床試験において、ステロイド外用薬(ミディアム〜ストロングクラス)と同等の高い皮膚症状の改善効果が確認されています。
・顔や首の赤みの改善に最適
ステロイドを塗り続けると皮膚が薄くなったり赤ら顔になったりするリスクがありますが、コレクチムはその心配がないため、顔や首のしつこい湿疹の治療に非常に適しています。
・良好な皮膚状態の維持(プロアクティブ療法)
症状が落ち着いた後も定期的に塗り続けることで、アトピー性皮膚炎のぶり返し(再燃)を防ぎ、ツルツルとした健康な肌をキープすることができます。
コレクチムは、注射薬や内服薬のような「全身治療」とは異なり、「気になる部分(特に顔や首など)をピンポイントで安全に治す局所治療」として非常に重要な役割を担っています。また、同様の非ステロイド外用薬である「モイゼルト」や、従来からある「プロトピック(タクロリムス)」のような使用初期の強いヒリヒリ感が少ないことも大きなメリットです。
| 治療タイプ | 薬剤・治療名 | 対象年齢 | 投与方法・頻度 | 主な特徴と使い分けのポイント |
|---|---|---|---|---|
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局所治療 (塗り薬) |
プロトピック軟膏 |
成人用:16歳以上 小児用:2歳〜15歳 |
毎日 (1日1〜2回) |
非ステロイド性の免疫抑制外用薬。 ステロイドと同等の強い抗炎症効果があり、皮膚が薄くなる副作用がないため顔や首に最適。 使い始めに一過性のヒリヒリ感が出ることがあります。 |
| コレクチム | 生後6ヶ月〜 |
毎日 (1日1〜2回) |
非ステロイドのJAK阻害外用薬。 顔や首など、ステロイドを塗り続けたくないデリケートな部位に最適。 |
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| モイゼルト | 生後3ヶ月〜 |
毎日 (1日2回) |
非ステロイドのPDE4阻害外用薬。 赤ちゃんから使用でき、マイルドに炎症を抑え皮膚を良好に保ちます。 |
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| ブイタマークリーム | 12歳以上 |
毎日 (1日1回) |
2024年に登場した世界初の「AhR活性化剤」という新しい非ステロイド外用薬。 1日1回の塗布でしっかり炎症を抑え、プロトピックのような使い始めの強いヒリヒリ感が 少ないのが特徴。 |
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| ステロイド | 全年齢 |
毎日 (1日に1~2回) |
ステロイド軟膏は強い炎症や激しい痒みを迅速に抑える「火消し役」。 状態が落ち着いた後は保湿剤や非ステロイド免疫抑制薬などへ切り替えてバリア機能を維持するのが基本です。 |
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全身治療 (注射薬) |
デュピクセント | 生後6ヶ月〜 | 2週間に1回 | 最も実績のある生物学的製剤。安全性が高く、赤ちゃんから大人まで幅広く使用可能。 |
| イブグリース | 12歳以上 | 4週間に1回 |
2024年に登場した新しい注射薬。 炎症の主原因(IL-13)を狙い撃ちし、維持期は月1回の投与でOK。 |
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| ミチーガ | 6歳以上 | 4週間に1回 |
かゆみの原因(IL-31)をピンポイントで遮断。 「とにかくかゆみが強い」という方に適しています。 |
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全身治療 (内服薬) |
リンヴォック | 12歳以上 |
毎日 (1日1回) |
効果・即効性ともにトップクラス。とにかく早く強力にかゆみ・湿疹を抑えたい方向け。 |
| オルミエント | 15歳以上 |
毎日 (1日1回) |
リンヴォックと同じJAK阻害薬。症状の程度や患者様の背景に合わせて使い分けます。 | |
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ターゲット照射 (光線療法) |
エキシマライト | 全年齢 | 週1〜2回など |
ナローバンドUVBよりさらに効果の高い紫外線を患部に照射。 頑固な痒疹(ブツブツ)や部分的な強いかゆみに有効。 |
恋ヶ窪皮膚科クリニックでは、患者様の皮膚の状態をきめ細かく診察し、コレクチムを最も効果的に取り入れた外用治療(塗り薬の計画)をご提案します。
アトピー性皮膚炎の勢いが非常に強く、ジュクジュクしているような急性期には、まずステロイド外用薬で一気に炎症を鎮めます(リアクティブ療法)。その後、症状が落ち着いてきた段階、あるいは顔や首などのデリケートな部位の治療において、ステロイドからコレクチムへとスムーズに切り替えることで、副作用を防ぎながらきれいな肌を維持します。
当院では、お薬を渡すだけでなく、症状に応じた「塗る量」「塗る範囲」「塗るタイミング」を丁寧に指導いたします。
コレクチム治療によるアトピー性皮膚炎治療をお考えの方は、東京都国分寺市の恋ヶ窪皮膚科クリニックまでご相談ください。
まずは医師が診察を行い、全身および顔や首などの湿疹の程度を確認します。これまでの治療歴(ステロイドの使用状況など)を伺い、コレクチムが適している状態かどうかを判断します。
患者様の年齢や症状に合わせて、適切な濃度(成人・小児用の0.5%、または小児用の0.25%)のコレクチム軟膏を処方します。院内にて、看護師や医師から、皮膚に刺激を与えない正しい外用方法や、1回に塗る目安量(FTU:フィンガーチップユニット)を丁寧にご説明します。
お薬を塗り始めてから皮膚の赤みやかゆみがどのように変化したか、副作用(ニキビや毛包炎など)が出ていないかを定期的に確認します。通常、初期は2〜4週間隔でご来院いただき、状態をチェックします。
肌がすっかりきれいになった後も、自己判断ですぐに中止せず、塗る回数を「1日2回」から「1日1回」「週に数回」へと医師の指示のもとで徐々に減らしていきます。これにより、アトピー性皮膚炎のぶり返しのない、健やかな肌を長く維持することができます。
コレクチム軟膏は健康保険が適用される医療用医薬品です。
3割負担の方の目安(コレクチム軟膏0.5% 1本5gあたり): 約400円〜500円前後(※お薬代のみの目安です。診察料や処方箋料が別途かかります)
コレクチムはステロイドのような皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)の副作用はありませんが、使用にあたっては以下の副作用や注意点があります。
・主な副作用: 塗った場所のニキビ、毛包炎(毛穴の赤み・おでき)、皮膚の感染症(カビやヘルペスなど)、一時的な刺激感(ヒリヒリ感・かゆみ)など。
・治療前の注意点: 塗る場所に「感染症(とびひ、ヘルペス、水虫など)」がある場合は、感染を悪化させる恐れがあるため使用できません。 必ず感染症の治療を優先します。また、妊娠中・授乳中の方は、治療の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用を検討しますので、事前に医師にご相談ください。
青木 馨代(あおき かよ)
| 略歴 |
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2005年3月
金沢医科大学医学部 卒業 2005年4月 昭和大学藤が丘病院 臨床研修 2007年4月 昭和大学病院 皮膚科 院外助教 2011年3月 昭和大学大学院医学研究科医学専攻 卒業 2011年4月 公立昭和病院 皮膚科 2014年4月~ 都内クリニック(複数院) 皮膚科・美容皮膚科 非常勤 2024年5月 恋ヶ窪皮膚科クリニック 院長 |
| 所属学会 |
| 日本皮膚科学会 日本美容皮膚科学会 |
| 資格 |
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医学博士
日本専門医機構認定皮膚科専門医 |
コレクチムによるアトピー性皮膚炎治療をお考えの方は東京都国分寺市の恋ヶ窪皮膚科クリニックまでご相談ください。
ステロイドは免疫を全体的に強く抑えるため長期間使うと皮膚が薄くなるなどの副作用がありますが、コレクチムはアトピー性皮膚炎の炎症を促す特定の通り道(JAK)だけを狙って抑えるため、皮膚が薄くなるような副作用がありません。安心感を持って長期的に使える点が大きな違いです。
プロトピック軟膏は使い始めに強い熱感やヒリヒリ感が出やすいことで知られていますが、コレクチム軟膏はそうした使用初期の刺激感が非常に少ないお薬です。プロトピックが合わなかった方でも、コレクチムなら問題なく使用できるケースが多くあります。
はい、お使いいただけます。コレクチム軟膏は、生後6ヶ月以上の乳幼児から小児、成人まで安全性が確認されており、幅広い年齢層のアトピー性皮膚炎治療に使用されています。
原則として1日2回、朝と入浴後などに患部に塗布します。1回に塗る量は、大人の人差し指の先から第一関節までお薬を出した量(約0.5g=1FTU)で、大人の手のひら2枚分の面積に伸ばすのが目安です。すり込まずに、優しく乗せるように塗ってください。
どちらも非ステロイドの新しいアトピー性皮膚炎用塗り薬ですが、作用する仕組みが異なります。コレクチムは「JAK阻害薬」、モイゼルトは「PDE4阻害薬」です。コレクチムは生後6ヶ月から、モイゼルトは生後3ヶ月から使えます。皮膚の厚さや症状のタイプに合わせて医師が最適な方を使い分けます。
見た目にはきれいになっても、皮膚の下にはまだ見えない炎症が残っていることが多いです。すぐにやめてしまうとアトピー性皮膚炎がぶり返す原因になるため、徐々に回数を減らしていく「プロアクティブ療法」への移行をおすすめしています。やめるタイミングは医師と相談して決めましょう。
はい、コレクチムはステロイドと違って眼圧が上がる(緑内障など)副作用のリスクがないため、目の周りのデリケートな皮膚にも安全に使用できます。ただし、誤って眼球(目の中)に直接入らないようにだけ注意して塗布してください。