エキシマ
エキシマライト(エキシマ光線療法)とは、紫外線の中央に位置する波長(UVB)のなかでも、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に最も治療効果が高いとされる308ナノメートル(nm)の波長をピンポイントで照射する最新の紫外線療法です。
従来の全身に光をあてる紫外線治療器(ナローバンドUVBなど)に比べ、エキシマライトは照射輝度が高く、より短い時間で高い効果を発揮します。また、ハンディ型の機器を使用するため、「健康な皮膚には光をあてず、湿疹がひどい患部だけをピンポイントで狙い撃ちできる」のが最大の特徴です。安全性が非常に高いため、赤ちゃんからご高齢の方まで安心して受けていただけます。
エキシマライトの主な効果は、「頑固な湿疹(痒疹)の改善」と「しつこいかゆみの遮断」です。
・かゆみを伝える神経を鎮静化
皮膚の表面まで伸びてきている「かゆみを感じる神経」の働きを抑え、激しいかゆみを抑えます。
・過剰な免疫(炎症)を抑制
アトピーを悪化させている原因である、皮膚に集まった過剰な免疫細胞(T細胞など)の働きを局所的に抑え、赤みや腫れを鎮めます。
・ゴワゴワした皮膚(苔癬化)の改善
塗り薬が浸透しにくくなってしまった、かき壊しで硬く盛り上がった皮膚(痒疹結節)を、柔らかくきれいな肌へと回復させます。
エキシマライトは、お薬を体内に取り入れる「内服」や「注射」とは異なり、全身への副作用の心配がほぼない「物理的な部分治療」です。そのため、内服薬や注射薬による治療を行っている患者様であっても、「特に治りの遅いしつこい部分」に対してエキシマライトを局所的に併用することで、相乗効果が期待できます。
| 治療タイプ | 薬剤・治療名 | 対象年齢 | 投与方法・頻度 | 主な特徴と使い分けのポイント |
|---|---|---|---|---|
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局所治療 (塗り薬) |
プロトピック軟膏 |
成人用:16歳以上 小児用:2歳〜15歳 |
毎日 (1日1〜2回) |
非ステロイド性の免疫抑制外用薬。 ステロイドと同等の強い抗炎症効果があり、皮膚が薄くなる副作用がないため顔や首に最適。 使い始めに一過性のヒリヒリ感が出ることがあります。 |
| コレクチム | 生後6ヶ月〜 |
毎日 (1日1〜2回) |
非ステロイドのJAK阻害外用薬。 顔や首など、ステロイドを塗り続けたくないデリケートな部位に最適。 |
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| モイゼルト | 生後3ヶ月〜 |
毎日 (1日2回) |
非ステロイドのPDE4阻害外用薬。 赤ちゃんから使用でき、マイルドに炎症を抑え皮膚を良好に保ちます。 |
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| ブイタマークリーム | 12歳以上 |
毎日 (1日1回) |
2024年に登場した世界初の「AhR活性化剤」という新しい非ステロイド外用薬。 1日1回の塗布でしっかり炎症を抑え、プロトピックのような使い始めの強いヒリヒリ感が 少ないのが特徴。 |
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| ステロイド | 全年齢 |
毎日 (1日に1~2回) |
ステロイド軟膏は強い炎症や激しい痒みを迅速に抑える「火消し役」。 状態が落ち着いた後は保湿剤や非ステロイド免疫抑制薬などへ切り替えてバリア機能を維持するのが基本です。 |
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全身治療 (注射薬) |
デュピクセント | 生後6ヶ月〜 | 2週間に1回 | 最も実績のある生物学的製剤。安全性が高く、赤ちゃんから大人まで幅広く使用可能。 |
| イブグリース | 12歳以上 | 4週間に1回 |
2024年に登場した新しい注射薬。 炎症の主原因(IL-13)を狙い撃ちし、維持期は月1回の投与でOK。 |
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| ミチーガ | 6歳以上 | 4週間に1回 |
かゆみの原因(IL-31)をピンポイントで遮断。 「とにかくかゆみが強い」という方に適しています。 |
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全身治療 (内服薬) |
リンヴォック | 12歳以上 |
毎日 (1日1回) |
効果・即効性ともにトップクラス。とにかく早く強力にかゆみ・湿疹を抑えたい方向け。 |
| オルミエント | 15歳以上 |
毎日 (1日1回) |
リンヴォックと同じJAK阻害薬。症状の程度や患者様の背景に合わせて使い分けます。 | |
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ターゲット照射 (光線療法) |
エキシマライト | 全年齢 | 週1〜2回など |
ナローバンドUVBよりさらに効果の高い紫外線を患部に照射。 頑固な痒疹(ブツブツ)や部分的な強いかゆみに有効。 |
恋ヶ窪皮膚科クリニックでは、エキシマライトを単独で行うだけでなく、患者様の現在のスキンケア(外用薬治療)と上手に組み合わせたオーダーメイドのコンビネーション治療を行います。
アトピーの治療中、「全体的には良くなったけれど、手足の関節や首の後ろだけがどうしてもゴワゴワして治らない」というケースは少なくありません。そこにステロイド等の強い塗り薬をダラダラと使い続けるのではなく、エキシマライトを週に1〜2回、部分的に照射することで、塗り薬のランクや量をスムーズに減らしていく(ステップダウン)ことが可能になります。
エキシマ治療をお考えの方は、東京都国分寺市の恋ヶ窪皮膚科クリニックまでご相談ください。
まずは医師が診察を行い、全身の皮膚状態を確認します。塗り薬で効果が出にくくなっている部位や、特に強いかゆみがある部位(ターゲットとなる患部)を特定し、エキシマライトの適応があるかを判断します。
患者様の肌のタイプや症状の強さに合わせて、安全かつ効果的な照射パワー(光量)を設定します。患部にエキシマライトの光を当てていきます。1箇所あたりの照射時間はわずか数秒〜数十秒と非常に短いため、処置はスピーディーに終了します。
効果をしっかりと出すためには、治療初期は週に1〜2回のペースで定期的に通院していただくのが理想的です。回数を重ねるごとに、硬かった皮膚が徐々に柔らかくなり、かゆみが治まっていきます。
皮膚がきれいになり、かゆみが完全に落ち着いたら、通院の間隔を「2週に1回」「1ヶ月に1回」と徐々に空けていき、最終的には照射を終了します。その後は塗り薬による維持療法(スキンケア)へと移行します。
エキシマライトによる光線療法(中波長紫外線療法・ターゲット型)は、アトピー性皮膚炎において健康保険が適用される医療行為です。
3割負担の方の目安(1回あたり): 約1,000円〜1,500円前後(※再診料や他の処置料、お薬代などが別途かかります)
エキシマライトは安全性の高い治療法ですが、紫外線を使用するため以下のような副作用や注意点があります。
・主な副作用
照射直後から翌日にかけての、照射部位の一時的な赤み(紅斑)、日焼けのような軽度のほてりやチクチクとした痛み、数日後の色素沈着(肌が一時的に黒くなる)、ごく稀に強い光量による水ぶくれ(水疱)など。
・治療前の注意点
光線過敏症(日光アレルギー)がある方、過去に皮膚がんで治療を受けたことがある方はこの治療を受けられません。また、照射直後の皮膚は日焼けをしやすいデリケートな状態になっているため、過度な直射日光(屋外でのスポーツや海水浴など)は避けていただく必要があります。
青木 馨代(あおき かよ)
| 略歴 |
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2005年3月
金沢医科大学医学部 卒業 2005年4月 昭和大学藤が丘病院 臨床研修 2007年4月 昭和大学病院 皮膚科 院外助教 2011年3月 昭和大学大学院医学研究科医学専攻 卒業 2011年4月 公立昭和病院 皮膚科 2014年4月~ 都内クリニック(複数院) 皮膚科・美容皮膚科 非常勤 2024年5月 恋ヶ窪皮膚科クリニック 院長 |
| 所属学会 |
| 日本皮膚科学会 日本美容皮膚科学会 |
| 資格 |
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医学博士
日本専門医機構認定皮膚科専門医 |
エキシマによるアトピー性皮膚炎治療をお考えの方は東京都国分寺市の恋ヶ窪皮膚科クリニックまでご相談ください。
痛みはほとんどありません。光をあてている最中に、ほんのりと温かさを感じる程度です。小さなお子様でも「怖がらずに、痛がらずに受けられた」というケースがほとんどですので、ご安心ください。
個人差はありますが、早い方であれば4〜5回(約1ヶ月)の照射で「かゆみが明らかに減った」「皮膚のザラザラ感がなくなってきた」と効果を実感していただけます。頑固なゴワゴワ(苔癬化)をしっかり治すには、20回程度継続することをおすすめしています。
はい、受けていただけます。エキシマライトは飲み薬や注射のように薬を全身に巡らせるわけではないため、生後間もない乳幼児から小児、妊婦の方、授乳中の方まで、どなたでも安全に受けていただける点が大きなメリットです。
シャワーや入浴、洗顔などは当日から普段通り行っていただいて問題ありません。ただし、照射部位をナイロンタオルなどでゴシゴシ強くこするのはおやめください。また、激しい運動などで体が火照ると、照射部位が少し痒くなることがあるため、当日は無理のない範囲でお過ごしください。
何回か照射を重ねていくと、光が当たった部分が一時的に日焼けをしたように少し黒くなる(色素沈着)ことがあります。これは治療の過程で起こる正常な反応であり、治療を終了してしばらく期間が経てば、徐々に元の肌の色へと戻っていきます。
エキシマライトは、紫外線の中でも発がんリスクを高める波長を徹底的にカットし、治療に有効な波長(308nm)だけを取り出した安全な光です。そのため、従来の広範囲な紫外線療法に比べて、将来的な皮膚がんのリスクは極めて低いとされています。